催眠マスターズクラブ東京

東京在住の催眠術師シロが、楽しい催眠の世界を紹介するブログです。

ひろゆきさんの動画について一言

こんなひろゆきさんの動画が上がっていました。

www.youtube.com

この動画を見て私は

  • ひろゆきさんの催眠術に対する認識は私のとは違う。
  • 残念なサンプルから一般化して、全体を否定している。

という部分で異を唱えたいと思います。

 

まず、催眠術に対する認識ですが、

自分の意に反して催眠術師の言いなりになってしまう(悪事を働いたりひどいことをされたり)

という部分が私と違います。

 

本当は催眠術で本人の意に反することはできません。

また、思考能力が低下して気づかずに望まない結果になることもありません。

(うまく裏を隠し通してそのように持っていくことはできるかもしれませんが、催眠状態だからやりやすいということはなく、覚醒時と同じレベルの話だと思います。)

 

しかし、「催眠」という単語自体が非常に胡散臭い言葉に成り下がっているゆえに、催眠の定義そのものが誤解されている状況です。

 

催眠とは、脳が弛緩して、一点集中しているトランス状態のことです。

催眠術はそれを利用してリラックスさせたり、ちょっと不思議にも思える、自動運動などを起こさせる技術です。

 

しかし、世間では人を操る怖い技術と、魔法のように考えられています。 

 

世間一般に広くそのネガティブなイメージが浸透しているので、我々が「いや、本当は違うのだ」と言っても、言葉の定義は大多数の意見、より一般的に普及している物が優位になります。

 

いっそのこと正しい(?)催眠を別の言葉に定義し直したほうがいいのではないかと思います。

ただ、そうすると今度はその言葉の普及が大変だったり、もとの言葉と混同するので難しそうですが。

催眠術には掛かる人の思い込みも大きな要素なので、新しい言葉だとその入口が難しい可能性もありそうです。

 

次に、残念なサンプルから一般化しているという点ですが、これは催眠術の曖昧さにも原因があると思います。

 

実際に思い切り催眠にかかっていても、終わったあとで

「私はかかってなかった」

と言い張る人もいます。

 

自然と腕が開くなど不思議な現象だとしても、自分が動いているわけですから、後付であれは自分が明確に意図してやったのだ、と思いこむ人もいます。

 

ひろゆきさんが話しているケースはインチキに近い残念なケースでしょう。

 

それでも、タレントさんはかかることで仕事が成立しお金がもらえるという力学を指摘しているのはさすがです。

 

個室で1対1でやる催眠と、舞台でやる催眠は、催眠にかかる動機が違います。

舞台でやる催眠は(深い催眠に入るまでは)周囲の目をはっきりと認識しています。

 

視聴回数はまだ非常に少ないので、影響はそれほどないと思われますが、これで多くの人に誤解を持たれては残念だと思いました。

 

本物の催眠術を体験したい方は私のところへ・・・と言いたいところですが、現在はコロナ禍でそれも難しく、また近い将来遠くに引っ越してしまうので、無理ですね。

 

引っ越した先で状況が落ち着けばその地で催眠活動を再開しますのでそのときはどうぞよろしくお願い致します。