パクリパクられ
世の中には往々にしてパクリパクられが見られます。
これを心理的に否定する人もいますが、ビジネスの世界では定石です。
しかし、ちゃんと理解していないとうまく機能しません。
勝てるパクリと勝てないパクリがあります。
負けるパクられと負けないパクられがあります。
市場での立場をリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーと分類して考えるマーケット理論があってそこでパクリの概念が出てきます。
まずなぜパクるのかを考えてみます。
先駆者のおかげで労せずしてそこに市場があることが分かったからです。
そしてそこでの商売の仕方が分かったからです。
何かを一から生み出すことはむつかしいだけでなく成功する確率も未知数です。
それよりはすでに成功している物を拠り所にしてビジネスを組み立てるほうが楽だし、確度も高いからです。
A社が新規性のある商品を出して市場を作り出し、リーダーになったとすると、B社はそこに向けてパクリ商品を出します。
ここで、B社の商品がA社の商品とほぼ同じだとすると、どうなるでしょうか?
A社が巨大な相手だった場合は、B社は負けます。
利益率を落として価格を下げても、A社がもっと下げれば簡単に負けます。
A社の方が大量に生産しているのでコスト効率がいいからです。
価格競争は規模で攻められたら勝てません。
B社がとるべき戦略は、潜在顧客像は同じにしたまま、商品の差別化を思いっきりすることです。
そうすると人々は、A社商品によって広まった認知+B社商品の差別化で、健全な選択肢として受け入れられます。
まあ、ここまでちゃんとするともはやパクリのレベルを超えていますね。
A社はそれに対抗する手段はあるのでしょうか?
あります。
A社は後発のB社商品をパクるんです。
そうするとB社商品のせっかくの差別化要素が無効化してしまいます。
そして価格競争など規模での勝負に持ち込めるようになります。
A社を先駆者のリーダー、B社を後発チャレンジャーとすると
- B社はA社商品とは差別化した商品を出す
- A社はそのB社商品をパクって差別化要素を無効化する
と言うのが基本戦略になります。
では、B社が勝てるシナリオはあるのでしょうか?
あります。
ざっくりいうと、A社がパクりにくいようにすることです。
たとえばA社が健康志向の食品で市場をけん引しているところ、B社が健康度はそのままに満足度重視のこってり味食品を出したとします。
A社は目障りなB社商品を駆逐したい。
しかしA社がB社製品をパクることの是非はA社内部で大きな議論をよび、賛成派と反対派に別れて対応が遅れます。
もたもたしているうちにB社は市場での立ち位置を獲得します。
B社が特許を生み出してそれを含める、なんてのも有効です。
こんな風にパクリパクられにも明確な戦略を持ってやらないと失敗します。
この差別化は、商品内容だけでなく、展開地域とか、流通や販売方法などいろいろな点が考えられます。
対面販売の伝統的な生命保険会社群 vs 後発のネット100%のライフネット生命
なんかもそうですね。
伝統的な生命保険の会社はいきなりネット100%に切り替えるのはいろいろ摩擦が起こりますので、すぐに完全には移行できません。
その間にライフネット生命がシェアを伸ばして存在感を増していきます。
逆に先行するA社よりも後発のB社が大きい場合、B社は簡単にA社に勝つことができます。
大手が下をパクる。
これが合法的にルールの内で戦うビジネスの勝ち筋なのです。
パクリと言えば、私の催眠術の先生が教える(秘術ともいえる)技術を、原理を理解せずに断片的にパクったり、間違った形でパクって使っている催眠術師がいると聞きます。
さらにはそれを教えてお金儲けをしているようなあくどいところもあると聞いた気がします。
悪意はなく、それが正解だと信じてやっている無自覚な場合もあるかもしれませんが。
そういう連中に法的な責任は問えませんが、クオリティの面では圧倒的に劣化しているどころか、間違っている場合さえあります。
それが催眠術の健全な普及の妨げになっていることは非常に残念です。
まあ、ポジティブに考えれば、先生の技術がパクられるほどの価値がある、質の高い技術だということも意味しています。
その技術を受け継いだ私の催眠誘導を体験したい方はお問い合わせいただくか、体験会の募集が出たら応募ください。
こちらもお楽しみください
催眠術師シロのウェブサイト Saimin Masters Club Tokyo
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