見えないものを見る力
有名な「ドゥンカーのろうそく問題」というのがあるそうです。
ご存じの方にとってはつまらないですが、お付き合いください。
【課題】
ここに
- ろうそく一本
- マッチ一束
- 画鋲一箱
があります。
そして壁にはコルクボードがかかっています。
ろうそくをコルクボードに固定し、火をつけてください。
ただし、溶けたロウが床に落ちないようにしてください。
この文章だけで、まっとうな解答を思いつくでしょうか?
ろうそくの大きさはどれぐらい?
とか
マッチだけでは火がつかないぜ!
とか
いろいろ細かいところで突っ込みどころはあるでしょうが、
ろうそくは手に収まるサイズで小指ぐらいの太さ
マッチでちゃんと火はつく
など「普通」に考えてください。
【模範解答】
画鋲の箱をロウを受け止める皿付きのろうそく立てに見立て、コルクボードに画鋲で固定する。
固定された箱の上にろうそくを置いてマッチで火をつける。
いかがでしょうか?
ここで気づいてほしいのは「箱」の存在です。
画鋲の箱を使いました。
画鋲一箱は画鋲だけではなく箱が存在しているんです。
箱を使えばとても簡単なんです。
与えられた文章の条件でこの箱の存在に気付いたでしょうか?
これに気付くのは文章からビジョンを作れる人だと思います。
(言語能力が高い人、思い込みが少なく注意深い人も気づくでしょう)
文章から、(人によっては)見えない箱を見ることができる能力を持っています。
例えば
問題にこのアイテム群の画像を追加したら箱に気付く可能性があがり、正解率は上がるでしょうし、
ましてや画鋲と箱を別々に描いたら、アイテム数が4になり、どう組み合わせるかというだけの問題になり、正解率は上がります。
さらにいうと、実物を手渡して課題を与えると、誰もが正解するでしょうね。
この、文章から見えないものを見る力はあるに越したことはありません。
- プロダクトデザイン
- イベント企画
- ビジネス企画
いろいろな場面で活躍します。
催眠誘導でもあなたに場面を思い浮かべてもらう時があります。
あなたは催眠状態なので結構リアルに思い浮かべることができます。
その時、私とあなたのイメージの不一致が起きないように足並みをそろえる方がよりスムーズに誘導できます。
ですから催眠術師は何かをイメージしてもらうときはできるだけ正確に描写して、あなたに伝えることが重要です。
曖昧な描写だと、あなたが補完するために思考を巡らせたり、お互いの想定が違うことで、催眠の深さにブレーキがかからないようにしています。
例えば「あなたは今海にいます。」とだけいうと、それはビーチなのか港なのか磯なのか沖なのか海中なのかわからない、もしくは自分で勝手に想像してしまい、誘導側とはイメージが乖離してしまいます。
優秀な催眠術師の誘導を受けるときは見えないものを(自分で補完して)見る力は不要です。
与えられる暗示やイメージをそのまま楽しむようにしてください。
こちらもお楽しみください
催眠術師シロのウェブサイト Saimin Masters Club Tokyo