催眠マスターズクラブ東京

東京在住の催眠術師シロが、楽しい催眠の世界を紹介するブログです。

世界一わかりやすい帰納法と演繹法

帰納法演繹法って昔どこかで習った記憶がありませんか?

 

理論の展開の仕方のことです。

帰納法

帰納法は 共通する複数の事実から一般的な仮説を導き出す方法 です。

いわゆる「パターンを見出す」ということです。

ボトムアップの考え方ですね。

 

  • 男子Aが私のことを好き
  • 男子Bが私のことを好き
  • 男子Cが私のことを好き

→世の中の男子はみんな私のことが好き

演繹法

演繹法は 一般論から直面する事実を推測する方法 です。

いわゆる「パターンから導く」ということです。

トップダウンの考え方ですね。

 

子供はみんなチョコレートが好き

→子供Dも(きっと)チョコレートが好き、子供Eも好き・・・

 

複数の段階を経たり一般論をかけ合わせる場合もあります。

 

  • 子供はみんなチョコレートが好き
  • 親は子供にせがまれると嫌と言えない
  • 親にもチョコレート好きが多い
  • 試食には返報性の原理が働く

→チョコレートの試食を子供に提供すれば購入までリーチする可能性が上がる

 (気に入った子供が親を説得し、親も試食を食べる)

 

 

だれもが頭の中で理論的に考えるとき自然とこれらの方法をとっています。ですからそれを人に説明するときにはこのような話の進め方をすると共感を得やすいです。

帰納法演繹法という組み合わせも成立します。

  • Aさんちの猫Aは魚が好き
  • Bさんちの猫Bは魚が好き
  • Cさんちの猫Cは魚が好き

→猫はみんな魚が好き

→Dさんちの猫Dも猫が好き(に違いない)

 

帰納法の弱点

これは根拠としているサンプル事象に説得力がないと弱くなります。

説得力がない場合とは、簡単に例外が見つかるときです。
(サンプル事象の共通点が成立してない場合なども)

 

このきのこAは食べられる → すべてのきのこは食べられる

これだとサンプルが少なすぎてすぐに例外が見つかり、説得力がありません。

 

  • 知り合いAに裏切られた
  • 知り合いFに裏切られた

→すべての人は必ず裏切る

 

これも冷静に考えれば、知り合いB,C,D,E,G,H,I,,,には裏切られていない事実に気が付きますので「すべての人は必ず」裏切るという仮説は極端であることに気が付きます。

おそらくその人生で2度裏切られた経験が深く記憶に残り、考えを偏らせているのだと推測できますね。

より納得できる仮説にするには

 

裏切る人もいるし、裏切らない人もちゃんといる

 

でしょうね。

催眠療法を始めとするカウンセリングでは「すべての人は必ず」といったような強い思い込みを外すことも行います。(リフレーミング

演繹法の弱点

演繹法の弱点は「採用している一般論が正しくない場合」に論理が破綻することです。

この弱点に気づかないと危険です。

私も若いときはこれにハマりました。

プログラマー=理論的思考が得意だというプライドのせいで、理論的に行動すれば間違いない、と思いこんで失敗しました。

 

  1. 企業の目的は利益を上げることだ
  2. 企業に属する者は企業の目的を人生の目的としている

→利益を上げることを最優先とする指導をすれば利益が上がるし、全員幸せ

 

この場合、うまく行かない可能性が高いです。

なぜなら1の仮定、2の仮定ともに違う可能性があるからです。

企業の目的は利益をあげることだけではなく、社会貢献などいくつかの目的を持っています。利益を上げること一つに絞ると他のことをないがしろにしてしまう可能性があります。

企業に属する人は、企業全体の利益に対してそれほど当事者意識を持っていないことも多くあります。それよりも自分の人生の目的や状況に合わせて、今都合のいいこの職場に身をおいているとか、目の前の仕事が楽しくてやっているとか、モチベーションの源は非常に個人的な場合が多いので、利益を上げることを目的とするより、個人のモチベーションにはたらきかけてその結果利益が上がるようなアプローチの方がうまくいくこともあると思います。

ベースとなる一般論が本当に使えるものかどうか、それによって他の可能性を排他していないか確認することが重要です。

アナロジー

アナロジーとは簡単にいうとたとえ話です。

アナロジーを使うと共感度が上がりますし、上に上げた弱点もうまく隠せるとても強力な説得方法です。

なぜなら、そのアナロジーが成立していること自体に関心し(おお、いい例えだ!)、小難しいことがわかりやすい例えになったことに嬉しくなって(おお、難解なことがわかりやすくなった!)、複雑な本当の現実から目を背けてわかったような気になって、気持ちよくなってしまう(思考を止めてしまう)からです。

 

馬の目の前に人参をぶら下げれば全速力で走る

→ボーナスを与えれば社員全員が頑張って業績があがる

 

まず、馬の目の前に人参をぶら下げたら実際に全速力で走るということが事実であるか疑わしいですね。

ですがそれがあたかも事実であるかのように述べている時点で少し危険性があります。

 

仮に馬の話が事実だとしても馬の話とボーナスの話は、似ていますが相違点が多すぎます。

欲望を突けば人は(動物は)動く

というコアの要素が共通しているように見えますが、その他の細かい部分は相違点が多すぎます。

馬と人(種族・知能レベルが違う)、食べ物とお金(欲求の種類が違う)、走ることと働くこと(行動の種類が違う)、など多くの相違点があるにも関わらず、そのたとえ話の旨さ、コアの要素の共通点を見出した点に関心して、見過ごしてしまいます。

 

ですので、アナロジー(たとえ話)は他人に対してずる賢く説得力を上げるためによい方法ですが、自分の脳内で理論立てて考えるときは注意すべきものです。

また、相手がアナロジーを使ってきたら注意して本質を見極めるように立ち止まって考えるほうが良いと言えます。

まとめ

このような意識を持って考えたり話したりすると良いかもしれません。

自分で物事を考える段階

帰納法演繹法を自然と使っているが、それぞれの弱点に気をつける。

参考にする事例は本当にそれで十分か?そのパターンは当てはまるか?

論理を組み立てる段階ではなるべくアナロジー(たとえ話)を使わない。

他人を説得する場合

帰納法演繹法の弱点をつかれないように気をつける。

アナロジー(たとえ話)を使えば効果的に共感を得られる。

他人が自分を説得してこようとしている場合

帰納法演繹法の弱点がないか確認する。

アナロジー(たとえ話)を使われたら、そのたとえだけで納得せず、対象の事実とたとえ話が本当に同じことなのか確認する。

潜在意識は帰納法スタイル

潜在意識は帰納法で考えます。

今までの経験からパターン化して考えます。

ですので先に上げた弱点があります。

経験から偏った考えをしていたとしても、多くの場合、その反例も経験しているはずです。

ですが、もう偏った考えになっていてその反例を脳内でスルーしてしまい、考えを改めることができません。現実をそのままの状態で見ることができなくなっています。

先程も書きましたがカウンセリングでは現実をありのままに眺めるように促すことでその考えの偏りを軽減することができます。

またこのような偏りを軽減するのに自己催眠はとても効果的です。

指導できますので興味がある方はご連絡ください。


◆催眠術師シロのホームページ

https://smctokyo.amebaownd.com/

◆体験会チケット購入サイト

https://peatix.com/group/6947812 

ツイッター

https://twitter.com/tvrAH1CQPOZSIoG

Instagram

https://www.instagram.com/saiminshiro/?hl=ja