力点が違うと設計が変わる
私はゲーム業界で働いています。
ゲームを作る人です。
ゲームって昔はアーケード(ゲームセンターのこと)もありましたし、家庭用据え置き機(PlayStationなど)になって、家庭用携帯機(Nintendo 3DSなど)になって、その後スマホにも入るなど、ゲームというものは色んな所にあります。
ゲームと一口にいっても、そのプラットフォームによってゲーム設計の考え方は変わります。
例えば昔のアーケードゲーム。
何度も100円を入れて遊んでもらうことが目的でした。
- 遊んでみたくなるように魅力的なデモプレイ、目立つ筐体
- はじめてのプレイでは接待されているかのような満足感を与えるプレイ
- 満足感を与えながらも短時間で終わるゲーム性
- ゲームオーバーになったらコンティニューしたくなるようなしかけ
といったような、100円を入れて遊んでもらうことを目的の中心としたゲーム設計になります。
昔はよく言ったものです。
1面が一番豪華。
誰もがプレイする1面をとにかく豪華にして満足感を与えるんです。
ゲームのイメージを良くするにははじめが肝心です。
瞬発力が求められるんですね。
ところが、家庭用になると話が変わります。
数千円の商品を払って買ってもらうまでが勝負です。また、商品で満足してもらって企業ブランド、商品シリーズブランドを高め、次につなげます。
- 期待感を煽るプロモーション
- ゲーム開始時はアーケードほど盛り上がらなくてもよい(ユーザーは先にお金を払ったので簡単に投げ出さないため)
- ゲームシステムも多少凝って敷居が高くても構わない(限度がありますが)
- しかし長く遊んでいるうちに楽しく感じ、買ったことを後悔させない
という、持久力が求められます。
スマホゲームはどうでしょうか。
殆どが無料で遊べて、なんかガチャでお金払う、みたいなイメージがありますね。
これもまた力点が全然違います。
携帯電話で遊べるので手軽に気軽に楽しみたい。
そもそもモチベーションがかなり薄いです。
家庭用のように複雑さや手間がかかることは求められていません。
ですので、端的に言うと派手でギャンブルのようなゲームが好まれるようになります。
そこにハマった一部の人がお金を落としてくれればよいのです。
また、ハマったけどお金を出さない人はお金を出す人の優位性を感じるための比較対象としての価値が与えられるのです。
また、常に新鮮さをアピールしていくため、しっかりとした運営が必要なのです。
このように力点(この場合は課金ポイント)が違うと設計思想が全く違います。
催眠も同じです。
「催眠」というカテゴリーではありますが、
催眠療法か、催眠ショーか、催眠体験会かなど、目的によって考え方が全然違います。
催眠ショーでは、失敗するリスクがあっても派手な技法を使ったりできますが、催眠療法ではクライアントの催眠は失敗できません。
失敗すると催眠ラポールが崩れて、そこから先、挽回するのに大きなコストがかかるからです。
催眠の技術を向上することも大事ですが、トータルでの流れの運び方もマスターする必要があり、そこらへんが経験の差として出てくると考えています。
◆催眠術師シロのホームページ
https://smctokyo.amebaownd.com/
◆体験会チケット購入サイト
https://peatix.com/group/6947812