暗示のつもりが指示と受け止められる - 催眠マスターズクラブ東京

私達がよくやる技法の流れです。

（省略している部分もありますし、実際は被験者の状況を見ながらアレンジしますので、これをそのまま読み上げるだけでは成功の確度はあまり高くならないと思いますのでご注意を）

この流れの中でステップ14が「暗示に反応して自然と」腕が開いてほしい場面、17は閉じてほしい場面です。

残念ながら反応しない場合もありますが、それよりもこちらが困惑するのは、14、17の場面で腕を意識的に動かす人です。

２０人に１人ぐらいでしょうか。まれにいます。

演技をしているのではなく、私に「動かせ」と指示されたと思い込んでいるから動かしているのです。

7、9の暗示（予言）を指示だと受け取っているようです。

でも、1〜6までの流れは明らかに指示で

7〜9、は暗示のつもりです。

1〜6では、暗に「あなたは」〜してください、と主語をあなたにしています。

7〜9では、「腕が」〜します、と主語を腕にしています。

基本的に指示をしたいときは主語を暗にあなたに、暗示は主語を明確に腕にしていて区別しているつもりです。

殆どの人はそれで暗示と指示を区別をしてくれるのですが、時々暗示を指示として受け取ってしまう方がいます。

そういう場合、大体は似たような他の暗示も指示だと受け取るので、

目がピタッと閉じてしまう

頭が後ろに倒れる

と言った暗示も、指示されていると思い込み、単に動かしているだけになってしまいます。

もうこうなってくるとコミュニケーションの話になってきますが。

（余談ですが催眠術を覚えると日常のコミュニケーションでも言葉の正確性にも敏感になってきます。）

こういう場合はどうすればいいのでしょうか？

被験者がそういう人かどうかはやってみないとわからないので、暗示にもう少し言葉を加えて誤解させないように正確に伝えるよう慎重を期すべきかもしれません。

私がハイって言ったら腕がこーんな風に開いていきます。

↓

私がハイって言ったら腕がこーんな風に自然と開いていきます。

私がハイって言ったら腕がこーんな風に勝手に開いていきます。

と、言葉を付け加えるのはいいかもしれません。

また、実際に遭遇してやらかしてしまった場合は、以降の暗示では下のようにさらに言葉を尽くすのがいいかもしれません。

私がハイって言ったら腕がこーんな風に暗示に反応して勝手に開いていきます。

私がハイって言ったら腕がこーんな風に意識的に動かさなくても勝手に開いていきます。

私がハイって言ったら腕がこーんな風に無意識に勝手に開いていきます。

できることはこれぐらいかな、と思っていますが、こういった対策が最善かどうかは、今週先生に会う機会があるので聞いてみようと思っています。

先生、つまるところ質問したいことは以下です。

①暗示として最良なのはどれだと思いますか？（相手が暗示を指示だと受け取る人かどうかわからない状態）

１だと言葉足らずで誤解されるたりしないか、逆に２〜５は蛇足だったりしないか、ちょうどいい塩梅はどこらへんかで悩んでいます。（暗示と指示を明確に区別せよ、の教えはわかっているつもりですが、「程度」で悩んでいます）

もしかして声色など非言語（雰囲気）も関係あるかもですね・・・

②相手が暗示を指示だと受け取ってしまう人で、誘導中にやらかしてしまったところからの最良の挽回方法を教えて下さい。

今度お話させてください。

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